外国人の雇用でもらえる助成金は?
2019年度の助成金では外国人だからこそもらえる助成金はありませんが、ここでは外国人労働者でも申請可能な雇用・労働分野の助成金を紹介します。
そもそも雇用・労働分野の助成金は多々あります。 雇用関係助成金、労働条件等関係助成金という大きな2つの分類があり、その中にそれぞれ19種類、5種類の助成金があります。さらにそれぞれの助成金は複数のコースに分かれており、実際に助成金を申請するときは、一つのコースもしくは複数のコースを選択して申請します。
また、助成金を申請する際には、中小企業の条件の他、各種条件があるので注意してください。 それでは代表的な4つの助成金を紹介します。
助成金① 労働者の雇用維持を図る「雇用調整助成金」
雇用調整助成金とは、事業活動の縮小(売上高または生産量など事業活動を示す指標の最近3カ月の月平均値が、前年同期に比べ10%以上減少しているなど)を余儀なくされたとき、一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に助成されます。
助成金の受給金額
上限額は対象労働者1人1日あたり8,250円。教育訓練を実施すると1,200円加算。 休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対して助成率をかけた金額になります。 助成率は中小企業が1/2、中小企業以外は2/3です。(平成30年8月1日現在)
【2020年3月9日追記】雇用調整助成金は、新型コロナウィルス感染症に関連して特例措置がでています。
助成金② 新たに従業員を雇う「トライアル雇用助成金一般トライアルコース」
トライアル雇用助成金とは、職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者をハローワークや職業紹介事業者等の紹介により、一定期間試行雇用した場合に助成されます。
対象となる従業員
ハローワークや職業紹介事業者等の紹介から採用した外国人従業員
助成金の受給金額
上限額は1人あたり月額4万円、最長3か月です。 詳しくはこちら。
助成金③ 契約期間が決まっている有期労働者向け「キャリアアップ助成金」
キャリアアップ助成金とは、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用の労働者(以下「有期契約労働者等」という)の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、各種取組を実施した場合に助成されます。キャリアアップ助成金は7つのコースがあります。
- 「正社員化コース」
- 「健康診断制度コース」
- 「諸手当制度共通化コース」(新規)
- 「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」
- 「賃金規定等改定コース」
- 「賃金規定等共通化コース」
- 「短時間労働者労働時間延長コース」
対象外となる従業員
正社員化コースは外国人技能実習生、EPA(経済連携協定)に基づく看護士や介護士の試験合格前の人は対象外です。
助成金の受給金額
コースによって様々で、1人あたり1回50万円以上の助成金もあります。 詳しくはこちら。
助成金④ 職業訓練をする事業主に対して助成される「人材開発支援助成金」
人材開発支援助成金とは、研修や訓練など、いわゆる職業訓練を実施する事業主に対して訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する助成金です。人材開発支援助成金は7つのコースがあります。
- 「特定訓練コース」
- 「教育訓練休暇付与コース」
- 「建設労働者技能実習コース」
- 「建設労働者認定訓練コース」
- 「一般訓練コース」
- 「特別育成訓練コース」
- 「障害者職業能力開発コース」
対象外となる従業員
「特別育成訓練コース」については、有期契約労働者が対象ですが、就労可能な在留資格を持っている外国人の場合、正社員になる能力があるとみなされるため対象外です。正社員への訓練に対する助成金である「特定訓練コース」や「一般訓練コース」等を活用しましょう。
助成金の受給金額
コースによって様々ですが、訓練時間に応じて、さらに訓練に必要な経費の一部が補助されます。詳しくはこちら。
まとめ
・雇用調整助成金
・トライアル雇用助成金
・キャリアアップ助成金
・人材開発支援助成金
以上が、外国人の雇用でもらえる可能性がある助成金です。
助成金診断します
当事務所では、標準プランの方を対象に助成金診断をしております。助成金をもらえる可能性はあるのか?助成金を申請したい等、お気軽にご相談ください。