記事の目的
- そもそも労務管理とは何かを理解すること
- ベンチャー企業が採用初期に行う労務管理を知ること
1. 労務管理とは
労務管理とは、社員の労働に関する管理をする業務のことを言います。社員をひとりでも雇うと発生する業務です。社員の労働に関する管理する業務とは、例えば、雇用契約を結ぶ、労働時間の管理をする、社会保険の届出を行う、必要な規程や規則を整備するなどがあります。
労務管理に分類される業務の例 | 雇用契約関連、法定三帳簿、労働時間管理、社会保険の届出関係、健康管理、社内規則・規程の整備、ハラスメント対策 |
2. ベンチャー企業 採用初期に行う労務管理
ベンチャー企業では、社員を採用した後の年間業務を回すのに手探りで行っている、または総務を専任とする人がいないので労務管理の流れが整備できていないことを多く聞きます。そこで、採用初期に行う労務管理で特に欠かせない重要なものについて解説します。
2-1. 雇用契約関連
法律上作成する義務があるのは、採用時に社員に交付する労働条件通知書です。労働条件通知書とは、企業の労働条件を記載した文書のことです。よく似た文書で雇用契約書がありますが、こちらは企業と社員が交わす契約書で、法律上必要はありません。ベンチャー企業に限らず、雇用契約書兼労働条件通知書という文書を作成し、企業と社員で交わすことが多いです。また、雇用契約を結び無事社員として企業に迎えた際には労働者名簿を作成します。
2-2. 労働時間管理
社員が働いた時間、休んだ日等を管理することです。給与計算をする上でも欠かせない業務ですが、2019年4月より労働時間の客観的な把握が義務化され、ますます管理をすることが重要になりました。労働時間管理をする上で欠かせない出勤簿、賃金台帳は保管します。
2-3. 社会保険の届出関係
入社時の社会保険の届出、毎年度の労働保険料の計算と申告、健康・厚生年金保険料の計算の元となる報酬額に関する届出など、社員をひとりでも雇用すると発生します。法人の経営者ひとりの際は、会社設立時に健康保険、厚生年金に加入をしますが、社員を雇うと、労働保険という労災保険、雇用保険関係の届出が新たに必要になります。
2-4. 健康管理
社員の健康管理も労務管理の仕事のひとつです。入社時や年に1回は健康診断を受けさせる等があります。
2-5. 社内規則・規程の整備
社員に適用されるルールとして就業規則を作成したり、労使協定を届出たりします。就業規則は社員10名以上から作成する義務が発生します。労使協定は、労使協定を労働基準監督署に届出を予めしておかなければ罰則があります。
2-6. ハラスメント対策
パワーハラスメント、セクシャルハラスメントの対策です。2022年4月から、ベンチャー企業でもハラスメント防止対策が義務化されるため、ベンチャー企業でも対応が必要となります。
これから初めて人を雇う予定のベンチャー企業の経営者の方、既に人を雇っているけど労務は手探りの状態のベンチャー企業の経営者の方はお電話またはメールにてご相談ください。